CINEMA 4D 基礎

レベル/ 対象者:基礎の基礎/ 2Dのグラフィックソフトを使えて、3Dに興味のある人
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R12

考えずにただ使う。他のソフトのことは忘れる。できるだけ少ない機能で作る。

冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
003 3_壷_1 なぜアニメーションなのか、スプラインマスク、押し出しNURBS、インスタンス、軸ツール、UVマップ、複製 2011.4.17
Previous Top Next

 

Step 1

なぜアニメーションなのか

 001章と002章のテーマは、「とりあえずアニメーションを作ってみる」ということでした。

 しかし、かなりの人が「私は静止画しか作らないから、アニメーションの知識は必要ない」と言います。「それは間違っている」と私は思うのですが、なかなか言葉で説明しても理解してもらえません。そこで、003章から005章にかけて「なぜアニメーションが必要なのか」を実証していきたいと思います。


 その前に一応言葉でも説明しておきます。

 まず、「アニメーション」とは何でしょうか。CINEMA 4Dにおけるアニメーションは、「たくさんの静止画が連続したもの」です。逆に言えば、静止画がたくさん集まれば、それはアニメーションと変わりないのです。

 それでは、ここで「私は静止画しか作らない」という人に質問です。あなたは一つのプロジェクトにおいて、何枚の静止画を作りますか。「1枚しか作らない」なんて人はいないはずです。最終的な納品物が静止画であっても、ほとんどのプロジェクトでは製作開始直後から数十〜数百枚の静止画を作ります。

 つまり、あなたが作っているのは「何も無いところからあるプロジェクトが完成する」というアニメーションであり、その最後の1フレームをあなたが「静止画」と呼んでいるだけなのです。


 また、CINEMA 4Dには多くの「アニメーション機能」が用意されています。それでは「アニメーション機能」とは何でしょうか。アニメーション機能とは、要は「簡単な操作で、複雑な動き(変化、編集)を実行する機能」です。悪くいえば「手を抜くための機能、楽をするための機能」でもあります。そうでないとアニメーションを作れないからです。

 そして、このアニメーション機能は、あなたがいつも作っている「何も無いところからあるプロジェクトが完成するアニメーション」の中でも有効に使えるはずです。

 

 

Step 2

スプラインマスク

 CINEMA 4Dには、2Dと3Dの2種類のブール演算機能があり、どちらもアニメーションに対応しています。ここでは、まず2Dのブール演算機能である「スプラインマスク」について説明します。

 まず、「スプラインマスク」オブジェクトと「円形」スプラインを作成します。次に、円形スプラインを複製し、両方ともスプラインマスクの中に入れて下さい。これでブール演算の指定が終わりました。

図003-1
図をクリックするとムービーが開きます。

 ここで重要なのは、「ブール演算が常に続いている」ということです。円形スプラインを動かしてみれば、その形状がリアルタイムで変ることが分るはずです。これが「アニメーションに対応している」ということであり、一般的な2Dソフトにあるブール演算機能と大きく違っている点です。

 アニメーションに対応しているおかげで、後でスプラインの形状や大きさ、位置などを変更する必要が生じた時も、簡単に修正できます。

 

 

Step 3

押し出しNURBS

 次に、押し出しNURBSを使って「スプラインマスク」を立体にします。

図003-2
図をクリックするとムービーが開きます。

 

 

Step 4

インスタンス

 次に、001章で説明したスイープNURBSを使って立体の外周部分を作ります。

 外周部分のパスになるのはもちろん「スプラインマスク」です。この時「スプラインマスク」を複製してしまってもいいのですが、複製してしまうと後で変更が生じた際に別々に編集する必要があります。そこで、今回は「インスタンス」オブジェクトを使います。

 インスタンスは、2Dのソフトではシェイプなどと呼ばれていて、オリジナルオブジェクトへのリンクだけを持っている「分身」のようなオブジェクトです。したがって、オリジナルオブジェクトを変更すれば、そのインスタンスによって作られたスイープNURBSも自動的に変化します。

図003-3
図をクリックするとムービーが開きます。

 

 

Step 5

軸モード

 次に、「軸モード(ツール)」について説明します。CINEMA 4Dでは通常「モデル」モードで編集を進めます。モデルモードでは、オブジェクトの形状と軸は一体となって移動、回転します。しかし、時々「オブジェクトの形状は動かさず、その軸だけを移動、回転させたい」という場合が発生します。このような場合は軸モードに切り替えて下さい。


 まず、現在作っているのは「台」です。したがって、垂直に立ったままでは使えません。横に倒す必要があります。そのために、まず押し出しNURBSとスイープNURBSを選択して、オブジェクトマネージャのメニューから「オブジェクトをグループ化」を選択します。

 すると、自動的にヌルオブジェクトが生成され、これらのオブジェクトが階層の中に入ります。そうしたらヌルを選択し、まず名前を「台」に変更して下さい。次に、座標マネージャで「P」の値を「-90」に変更して下さい。これで、台が水平になります。

 このままでも別に問題はないのですが、台の軸が-90度回転したままでは何か気持ちが悪いので、モデルモードから軸モードに切り替え、「P」の値を「0」に戻します。軸モードにしておけば、台の形状は水平なままで軸だけが水平にリセットされます。

図003-4
図をクリックするとムービーが開きます。

 

 

Step 6

UVマップ

 次に、UVマップについてごく簡単に説明します。

 ここまで、スプラインに沿ってオブジェクトを作ったり、オブジェクトを動かす方法について説明してきました(001章)。この他、CINEMA 4Dにはスプラインに沿ってテクスチャを貼る方法もあります。それがUVマップです。

 

 「テクスチャ」というのは、「模様」という意味で、普通はマテリアルのカラーチャンネルに画像や、自動的にテクスチャを生成するシェーダーを読み込んで作ります。001章でもマテリアルを作りましたが、指定したのは「色」だけで、「テクスチャ」はありませんでした。

 それでは、まずムービーを見て作業の流れを理解して下さい。

図003-5
図をクリックするとムービーが開きます。

 それでは詳しく説明します。

 まず、オブジェクトにテクスチャを貼るには、「新規マテリアル」を作ります。

 次に、「カラー」チャンネルの「テクスチャ」ボタンをクリックし、プルダウンメニューの「サーフェイス -> タイル」シェーダーを選択します。ここで、「画像を読み込む」を選択すればデジタルカメラで撮影した画像をマテリアルに読み込むこともできます。

 次に、タイルシェーダーのカラー等を変更します。これらのパラメーターは、趣味の問題ですからみなさん好きなように変えて下さい。

 このマテリアルを「押し出しNURBS」に適用します。適用すると、まず投影法がUVマップ(UVWマップ)になり、スプラインに沿って側面にテクスチャが表示されるのですが、外周部分に隠されていて見えません。このテクスチャは台の上面に表示させたいので、投影法を「平行」に切り替えて下さい。

 

 次に、マテリアルマネージャで「controlキー」を押しながらマテリアルをドラッグし、複製します。そしてタイルシェーダーを開き、「パターン」を「線2」に変更し、カラー等のパラメーターも適当に変えて下さい。

 このマテリアルを「スイープNURBS」に適用します。すると、スプラインに沿ってテクスチャが表示されるはずです。これがUVマップです。ただし、そのままでは間隔が粗いので、属性マネージャで「タイルV」の値を「100」から「10」に変更します。

 この状態で、「スプラインマスク」の中の「円形」スプラインを動かすと、それにしたがって、「押し出しNURBS」、「スイープNURBS」、「テクスチャ」がそれぞれ適切に変形することがわかると思います。

 

 これが典型的な「アニメーション機能の使い方」です。普通はこの機能を使ってアニメーションを作るわけですが、それだけではありません。「アニメーションが作れる」というのは、つまり「編集(変更)しやすい」ということです。

 特に、複雑で修正の多いプロジェクトを実行する場合は、アニメーション機能をうまく使うことによって、作業の効率が上がり、ミスが減り、結果的に作品の品質が向上します。

 

 

Step 7

複製、スプラインに沿って

 最後に、スプラインに沿ってオブジェクトを複製する方法について説明します。オブジェクトを複製する作業は重いので、さすがにスプラインの変更には追従しません。2Dソフトにある機能と同じように、実行と同時に確定してしまいます。


 しかし、もしスプラインがなければこの機能を使うことさえできません。スプラインは、CINEMA 4Dのアニメーション機能の基本です。面倒でも、重要な部分にはスプラインを使うように心がけて下さい。その方が結局は楽なのです。

 ところが、他のソフトからオブジェクトをインポートすると、ほとんどの場合ポリゴンの塊になってしまい、ここまでに説明してきたようなアニメーション機能を使うことができません。それで私は「他のソフトからオブジェクトを持ってこない方がいい」と言うわけです。

 もし持ってくるのなら、「スプラインを保持した状態で持ってくる」べきです。そして、スプラインを保持した状態で持ってこられない場合は、CINEMA 4Dのアニメーション機能を使えず、「非常に苦労する」ことを覚悟する必要があります。また、同じことがスプラインだけでなく「軸」や「階層」についても言えます。


 それでは、まずスプラインに沿って並べるライトを作ります。 

図003-6
図をクリックするとムービーが開きます。

 ライトは球体でできていて、「発光」チャンネルをONにした「light」マテリアルが適用されています。また、ライトは「ライト」という名前のヌルオブジェクトの下に入っていますが、このヌルの使い方は、002章で説明したヌルの使い方と全く同じです。つまり、スプラインの上に複製されるのはヌルであり、その上に乗っかっているライトはヌルに対して自由に動けるのです。


  次に、ヌル(ライト)を複製します。

図003-7
図をクリックするとムービーが開きます。

 メインメニューの「ファンクション -> 複製」を選択すると、属性マネージャに複製の手順が表示されます。そこでまず「複製数」を「36」に指定します。

 次に、「クローンモード」を「インスタンス」に指定します。こうしておけば、オリジナルオブジェクトを編集することで、後で自由にライトを編集できます。

 次に、「モード」を「スプライン」に指定し、「スプラインマスク」をリンクします。

 次に、「角度を使う」をチェックし、「そろえる」を「-Z」に指定します。これも、002章で説明した「接線方向を向く」と全く同じで、これによってヌルがスプラインの接線方向を向きます。

 最後に「適用」ボタンを押すと、ヌルのインスタンスが36個複製されます。複製されたオブジェクトは、オブジェクトマネージャの「ライト_copies」というヌルの下に入っています。


 それでは、最後にヌルの中に入っているライトの大きさや位置を微調整します。

図003-8
図をクリックするとムービーが開きます。

 まず、ヌルの中に入っている「球体」オブジェクトを選択し、「半径」の値を「10」に変更します。

 次に、モデルモードと移動ツールが選択されていることを確認し、球体オブジェクトを上方向とX軸方向に動かします。マウスで適当に調節した後、座標マネージャで切りのいい数字を入力して下さい。

 その後、「ライト」と「ライト_copies」を「台」の中に入れて完成です(サンプル003a)。

 

Previous Top Next