テクスチャ基礎

レベル/ 対象者:基礎/CINEMA 4Dを少し使える人。
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R12

テクスチャは、オブジェクトに着せる服。

冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
032 2_テクスチャタグ_2 選択範囲に限定、ポリゴン選択範囲、貼る面、UVWタグ、UV座標、UVW座標を生成、UVW座標を上書き 2011.6.18
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Step 1

選択範囲に限定

 テクスチャタグにはまだ重要な機能がいくつかあります。

 まず「選択範囲に限定」機能です。この機能を使うと、オブジェクトを分けたり、アルファチャンネル(マスク)を作らなくても一つのオブジェクトに複数のテクスチャタグを適用できます。

 ここで、「選択範囲」というのはポリゴンを選択してメインメニューから「選択 -> 選択範囲を記録」を選択した時にできる「ポリゴン選択範囲」を表します。

 それでは、実際にやってみましょう。

図032-1
サンプル032a

 まず、ポリゴン選択範囲を作るには、「プリミティブ」オブジェクトを「ポリゴン」オブジェクトに変換する必要があります。オブジェクトを右クリックしてプルダウンメニューから「編集可能にする」を選択して下さい。

 次に、「ポリゴン」モードに切り替え、「ライブ選択」ツールを使ってポリゴンを選択していきます。ポリゴンを選択できたら、メインメニューから「選択 -> 選択範囲を記録」を選択して下さい。すると、選択したオブジェクトに「ポリゴン選択範囲」タグが追加されます。
 次に、属性マネージャでポリゴン選択タグの「名前」フィールドに判りやすい名前を入力します。

 この作業を必要な回数だけくり返していくわけですが、既存の選択範囲タグが選択された状態で「選択範囲を記録」を実行すると、中身が「上書き」されてしまいます。この点に注意して下さい。別のタグを選択した状態で「選択範囲を記録」を実行すると、新しい選択範囲タグが生成されます。

 ポリゴン選択作業が終わったら、マテリアルをオブジェクトに適用し、属性マネージャでテクスチャタグの「選択範囲に限定」フィールドに対応するポリゴン選択範囲の名前を入力します。

 これで、そのテクスチャタグは選択したポリゴンだけに働くようになります。一つのオブジェクトに複数のテクスチャタグを重ねた場合、右のテクスチャタグ程上に重なるようになります。

 

 「選択範囲に限定」機能は、基本的にポリゴンオブジェクトに対して使うものですが、例外的にNURBSにも使えます。NURBSにはポリゴン選択範囲タグを作れませんが、内部的に同じ働きをする機能があり、「表面」、「裏面」、「表のフィレット」、「裏のフィレット」に対して、「C1」、「C2」、「R1」、「R2」という名前がついています。
 
 この機能を使えば、NURBSをポリゴン化しなくても各部に違うテクスチャタグを適用できます。

図032-2
サンプル032b

 

 

Step 2

貼る面

 もう一つ重要な機能は「貼る面」です。デフォルトでテクスチャはオブジェクトの「両面」に貼られますが、この機能を使うと「表だけ」、もしくは「裏だけ」に限定できます。

 ここで、「表」、「裏」というのは、ポリゴンの法線の向きを基準とします。もし、ポリゴンの表裏が間違ってる場合は、メインメニューの「ファンクション -> 法線をそろえる」や「法線を反転」機能を使って、正しくそろえて下さい。

 それから、テクスチャの表裏はエディターのプレビューに反映されません。必ず「ビューをレンダリング」して確認して下さい。

 また、この機能の働きは「平行」投影の場合と、他の投影法やUVW マップの場合で、少し違っているので注意して下さい。


 まず、平行投影の場合から説明します。平行投影は、テクスチャ座標のZ軸方向に向かってテクスチャを貼り付けます。したがって、面には「Z軸向きの面の表」、「Z軸向きの面の裏」、「-Z軸向きの面の表」、「-Z軸向きの面の裏」の4種類が存在します。

 「貼る面」がデフォルトの「両面」の場合、テクスチャは全ての面に貼られます。しかしこれを「表だけ」にすると、「-Z向きの面の表」にだけテクスチャが貼られるようになります。つまり、「Z向きの面の表」は、表ではありますが、テクスチャが貼られません。

 「裏だけ」にした場合は、同様に「-Z向きの面の裏」にだけテクスチャが貼られます。

図032-3
サンプル032c


 次に、他の場合について説明します。下の図では円柱投影を使っていますが、他の投影法やUVW マップの場合も同じです。他の投影法の場合は、特に「投影する方向」というのは定まっていないので、「面の表」と「面の裏」の2種類しかありません。

 そして、「表だけ」にすると「面の表」にだけテクスチャが貼られ、「裏だけ」にすると「面の裏」にだけテクスチャが貼られます。

図032-4

 

 

Step 3

UVWタグ

 これまで「UVW マップ」と「UV座標(UVW座標)」についていろいろと説明してきましたが、「UV座標の作り方」については説明していません。ですから、みなさんはまだどうやってUV座標を作り、UVW マップを使ったらいいのか判らないはずです。

 それではUV座標を作ってみましょう。

図032-5

 UV座標を作る一番簡単な方法は、プリミティブやNURBSを「編集可能にする」ことです。

 プリミティブやNURBSは、その規則性や作り方に従って適切なUV座標を持っています。しかし、それは編集できないので、内部に隠されていてオブジェクトマネージャには表示されません。ところが、これらのオブジェクトを編集可能にすると、ポイントやポリゴンが編集可能になるのと同時にUV座標も編集可能になり、オブジェクトマネージャに「UVWタグ」の形で表示されるのです。

 このUVWタグの中に「UV座標」が入っています。

 UVWタグを選択した状態で、オブジェクトマネージャと同じ位置にタブ化されている「構造マネージャ」を開き、「モード」を「UVW座標」に切り替えれば、UV座標の値を直接読むこともできます。

 このサンプルではポリゴンオブジェクトに4枚の四角ポリゴンが含まれています。四角ポリゴンはそれぞれ4個のポイントを持っているので、UVポイントの合計は16個になります。そして、それら16個のポイントがそれぞれテクスチャ上の対応する位置、つまりUV座標値を持っているわけです。


 それでは、次にUVWタグを消してみましょう。

図032-6

 UV座標を消すと、UVW マップで貼ったテクスチャは消えます。オブジェクトのどこにテクスチャを貼ったらいいのか判らなくなったので消えたのです。

 

 

Step 4

UVW座標を生成

 それでは、無くなってしまったUV座標をもう一度作ってみましょう。

 前の章で、私は「プリミティブに含まれているUV座標は、その形状に適した各投影法を変換して作ったものだ」と書きました。ということは、まず適切な投影法でテクスチャを貼り、UV座標に変換すればいいわけです。

  図032-7

 サンプルではオブジェクトの形状が「平面」なので、まず投影法を「UVW マップ」から「平行」投影に切り替えます。これでとりあえずテクスチャは表示されます。ただし、貼る方向(Z軸方向)が違っているので、テクスチャ軸モードに切り替え、回転ツールを使って調整します。
 
 テクスチャを調整し、最初UVW マップで貼られていた時と同じになったら、オブジェクトマネージャのメニューから「タグ -> UVW座標を生成」を選択してください。

 すると、UVWタグが生成され、同時にテクスチャタグの「投影法」が「平行」から「UVW マップ」に自動的に切り替わったはずです。これで「何もないところ」からUV座標を生成できました。


 図32-7で扱ったサンプルは「平面」という非常に単純な形状だったので、プリミティブが最初に持っていたUV座標と完全に同じものを、平行投影からの変換で作り出すことができました。
 しかし、多くの場合一度失われたUV座標を取り戻すことはできません。

 それではもう少し複雑な形状で同じことをやってみましょう。

図032-8
サンプル032d

 サンプル032dには、スイープNURBSで作成したペーパークリップが入っています。

 これにUVW マップでテクスチャを貼ると、ペーパークリップの線に沿ってねじれたテクスチャを表現できます。オブジェクトは生きているので、ねじりの値を変えればテクスチャもそれにしたがって変化します。
 また、UVW マップなので、デフォーマで変形させてもテクスチャはずれません。


 次に、スイープNURBSをポリゴンに変換します。

図032-9

 ポリゴンに変換するとオブジェクトは死んでしまうので、もうねじりの値を変えることはできません。しかし、UV座標が残っているので、テクスチャをUVW マップで表現できます。また、オブジェクトを変形させてもテクスチャはずれません。

 しかし、UVWタグを捨ててしまうと、もう二度と同じテクスチャを表現することはできません。

 
 それでは、投影法を変換して、新しいUVWタグを作ってみましょう。

図032-10

 少し考えれば、線に沿ってねじれたテクスチャを表現できるような「投影法」は存在しないことが判ります。そこで、「平行」投影に切り替えて別のパターンになるようにテクスチャ軸を調整します。

 テクスチャ軸の調整が終わったら、「UVW座標を生成」機能を使ってUV座標を作成し、UVW マップに切り替えます。UVW マップに切り替えれば、とりあえずテクスチャはずれなくなります。
 ただし、くり返しますが、元のねじれたテクスチャに戻すことはできません。


 このような理由から、私は「なるべくポリゴンを使わず、スプラインをベースに作るべきだ」とか、「CADソフトからオブジェクトを持ち込んでもテクスチャを貼る方法がないので、結局CINEMA 4Dの中で作り直すことになる」と、くり返し言っているわけです。

 

 

Step 5

UVW座標を上書き

 「UVW座標を上書き」機能は、ステップ1で説明した「選択範囲に限定」機能に似ています。基本的な働きは「UVW座標を生成」機能と同じなのですが、UVWタグ全体を置き換える(生成する)のではなく、選択したポリゴンだけ置き換えるのです。

 例えば、前のステップで使ったペーパークリップを使って、半分だけ「平行投影を変換したテクスチャ」にしてみます。

図032-11

手順は「UVW座標を生成」の場合とほとんど変わりませんが、事前にUVW座標を上書きするポリゴンを選択しておく必要があります。選択していないポリゴンのUV座標は上書きされず、そのまま残ります。

 

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