テクスチャ基礎

レベル/ 対象者:基礎/CINEMA 4Dを少し使える人。
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R12

テクスチャは、オブジェクトに着せる服。

冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
033 3_レイヤシェーダ Photoshopとの連携、画像を編集、レイヤシェーダ、テクスチャプレビュサイズ、レイヤマスク、レイヤ効果、投影法の変換、ムービーの読み込み、連番画像の読み込み 2011.6.20
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Step 1

Photoshopとの連携

 テクスチャを作る場合、多くの人はAdobe社のPhotoshopを使います。このステップではPhotoshopとCINEMA 4Dを連携する場合の手順について、Photoshopで作成したトランプのテクスチャを例にして簡単に説明します。

 

1. まず、Photoshopでテクスチャを作成する場合、レイヤを統合する必要はありません。CINEMA 4DはPhotoshopのレイヤをそのまま読み込めます。レイヤを維持したまま「.psd」フォーマットで保存して下さい。

図033-1
サンプル033a

 

 次に、テクスチャを修正したい場合は、マテリアル編集で「画像を編集」ボタンを押して下さい。すると、そのテクスチャがPhotoshopで開きます。Photoshopで修正作業を終えたら、ファイルを保存し、CINEMA 4Dに戻って「画像を再読み込み」ボタンを押して下さい。これでテクスチャが更新されます。

図033-2

 

 次に、CINEMA 4D内部でもある程度Photoshopのファイルを編集できます。例えばレイヤの表示非表示ぐらいであれば、CINEMA 4Dの中でやってしまった方が速いでしょう。

図033-3

 Photoshopのファイルを編集するには、CINEMA 4Dの中に入っているBodyPaint 3Dの機能を使います。まず、マテリアルマネージャの表示を「レイヤマネージャ」に切り替えて下さい。次に、マテリアルの右をクリックして「エンピツ」を表示させて下さい。これでテクスチャが編集可能な状態になります。


 さらに、BodyPaint 3Dの機能を使うと、テクスチャをペイントしたり、フィルタをかけたり、マスクを作ったりすることもできます。もちろん画像処理ソフトとしての基本機能はPhotoshopの方が優れていますし、慣れというものもあるでしょう。しかし、BodyPaint 3Dには3Dペイントソフトとしての利点があります。したがって、次のような場合には、BodyPaint 3Dでテクスチャを作ることをお勧めします。

 

1. 複雑な形状のオブジェクトにテクスチャを貼る場合。
 複雑な形状のオブジェクトにテクスチャを貼る場合、Photoshopでは結果がどうなるか読めません。例えばPhotoshopで描いた「直線」が「曲線や折れ線や波線」になってしまう場合がよくあります。しかし、BodyPaint 3Dで描いた直線は必ず直線になります。

 

2. 100%より明るい白を扱う場合
 PhotoshopとCINEMA 4Dの決定的な違いは、その「レンジ(範囲)」にあります。Photoshopは、基本的に100%より明るい白を扱えません。しかし、CINEMA 4Dは扱えます。これは、HDR(ハイダイナミックレンジ)画像を使ってIBL(イメージベースドライティング)をする場合などに欠かせない機能です。

 

3. テクスチャをアニメーションさせる場合
 PhotoshopとCINEMA 4Dのもう一つの違いはアニメーションです。例えばレイヤマスクを動かしたり、画像を調整する値をアニメートしたい場合、CINEMA 4Dなら簡単にできますが、Photoshopでは全くできません。

 

 

Step 2

レイヤシェーダ

 CINEMA 4Dの中で複雑なテクスチャを作りたい場合、「レイヤ」シェーダを使います。レイヤシェーダは、CINEMA 4Dで最も強力なシェーダです。なぜなら、レイヤシェーダを使うと他のシェーダやビットマップ画像を無制限に合成できるからです。

 レイヤシェーダはPhotoshpのレイヤに似ています。しかし、その機能はPhotoshopより遥かに強力で、アニメーションを扱えるという点ではむしろAffterEffectsに似ています。また、レイヤシェーダのパラメータをXPressoでコントロールすることもできます。


1. レイヤシェーダの中に複数のシェーダを読み込むと、指定した混合モードで合成できます。

図033-4
サンプル033b

 混合モードや強度の働きは、ほぼPhotoshopと同じです。値のレンジに関しては、「強度」は100%までしか指定できませんが、「露出」は+-25段階(3000万倍)、「明るさ」は10000%(100倍)まで指定できます。

図033-5
サンプル033c

 このサンプルでは、最初にHDR画像を読み込み「露出」の値を「-6」にしていますが、これは「1/(2の6乗)」という意味で、「1/64」になります。それで、その後「明るさ」が「6400%」の白を乗算したり、発光チャンネルの「明るさ」を「6400%」にしてHDR画像の明るさを元に戻しているわけです。

 また、エディタに表示されるテクスチャのプレビュが粗い場合は、マテリアル設定の「エディタ」ページで「テクスチャプレビュサイズ」の解像度を大きくすると、きれいに表示されます。


2. あるシェーダを「レイヤマスク」に指定すると、上のシェーダを切り抜いて下のシェーダに重ねることができます。

図033-5
サンプル033d

 レイヤシェーダに表示されるほとんどのパラメータにはアニメーションを指定できます。アニメーションを追加する方法や、Fカーブを編集する方法は、オブジェクトのアニメーションを編集する場合と全く同じです。

 

3. 「レイヤ効果」を使うと、下のシェーダを調整したり特殊効果をかけることができます。

図033-7
サンプル033e

 レイヤシェーダの中には、よく使うシェーダが「レイヤ効果」の形で入っています。例えば、「フィルタ」シェーダを使って画像を調整すると、元の画像はフィルタシェーダの中に隠れてしまい、レイヤシェーダからは操作できません。このような場合、レイヤ効果の中にある同じ機能を使うと、シェーダの構造を単純化できます。

 

 

Step 3

投影法の変換

 CINEMA 4Dのテクスチャシステムは設計が古いため、標準的なインターフェイスでは一つのテクスチャタグについて一つの投影法しか指定できません。つまり、「カラー」チャンネルは「平行」投影、「バンプ」チャンネルは「立方体」投影、というような賢い使い分けができないのです。このような場合、「投影法の変換」シェーダを使います。


図033-8
サンプル033f

1. 図033-8のようなテクスチャは、一見簡単に貼れそうですが、実はそうでもありません。それでは実際にやってみましょう。

図033-9
サンプル033g

 まず、革のビットマップ画像をカラーチャンネルとバンプチャンネルに読み込みます。次に、レイヤシェーダを使ってカラーチャンネルの色と明るさを調整し、オブジェクトに適用します。

 デフォルトの投影法は「UVW マップ」で、球体の場合これは「球投影」と同じです。しかし革のテクスチャを球投影で貼ると、両極付近でテクスチャが不自然に収束します。

図033-10
北極付近でテクスチャが収束している。

 そこで、投影法を「立方体」に変更します。立方体投影を使うとつなぎ目ができますが、全体的に均一にテクスチャを貼ることができます。バンプチャンネルを使う場合は、立方体投影をよく使います。

図033-11

 これで水色の革のテクスチャを貼った球体が完成しました。簡単です。

 

2. 次に、この球体にクラブのロゴを貼付けてみます。ロゴは前から一つだけ貼るので、平行投影を使います。しかし、革のテクスチャは既に立方体投影で貼付けてしまったので、同じマテリアルやテクスチャタグの中にロゴを追加することはできません。

 そこで、ロゴだけのマテリアルを新しく作り、アルファチャンネルで切り抜いて革のテクスチャの上に重ねることにします。

図033-12
サンプル033h

 まず、ロゴのマスク画像をアルファチャンネルに読み込みます。次に、投影法を「平行」に切り替えます。そして、「オブジェクトに合わせる」機能を使ってテクスチャ軸のスケールを球に合わせます。
 ただし、これでもロゴが大きすぎるので、「サイズ」を「60%」に縮小し、それに合わせて「オフセット」を「20%」に変更しました。そして、最後に「タイリング」のオプションを外します。

 ここで、テクスチャは常に「左上」を基準に配置されます。したがって、テクスチャを中央に置きたい場合は、必ずオフセットの値を「(100 - サイズ)/ 2」に指定して下さい。


 この作業もまあ簡単です。しかしロゴの中にバンプがありません。
 現実的に考えると、革の上に白いプリントでロゴを印刷しているわけですから、ロゴの中にも革のバンプが見えるはずです。もちろんロゴのマテリアルにバンプチャンネルを追加することはできます。しかし、投影法が違えば必ずずれます。どうしたらいいのでしょうか。

図033-13
ロゴの中にバンプがない。

 

3. そこで、「投影法の変換」シェーダを使って革のマテリアルの中にロゴを含めることを考えます。

図033-14

 まず革のマテリアルを開き、カラーチャンネルのレイヤシェーダの中にロゴのマスク画像を読み込み、「レイヤマスク」を指定します。次に、ロゴのカラーを表現するために「カラー」シェーダを追加します。

 ここで、「投影法の変換」シェーダを追加します。ロゴのマスク画像を右クリックし、プルダウンメニューから「特殊効果 -> 投影法の変換」を選択して下さい。こうすると、「投影法の変換シェーダを通して」ロゴのマスク画像が働くようになります。

 投影法の変換シェーダを開くと、中にはテクスチャタグと同様のパラメータが並んでいます。つまり、投影法の変換シェーダの中に入っている画像やシェーダは、テクスチャタグの中の設定ではなく、ここにある設定にしたがって投影されるのです。

 投影法の変換シェーダのパラメータは、もちろん試行錯誤しながら手で設定しても構いません。しかし、先ほど別のマテリアルを使って貼付けた時のテクスチャタグが残っているので、今回はこのテクスチャタグの中身をコピーすることにしましょう。

 まず、先ほど作ったテクスチャタグを選択します。そして、一番下にある「タグの値を読む」ボタンを押して下さい。これで、選択したテクスチャタグの中身が投影法の変換シェーダにコピーされます。


 結構面倒な作業なのですが、どのソフトのどの機能を使ってもこのようなテクスチャを貼るのは大変です。がんばってやってみて下さい。

 

 

Step 4

ムービーの読み込み

 CINEMA 4DでQuickTimeムービーを読み込むのは簡単です。普通のJPEG画像やPhotoshopのファイルを読むのと何も変りません。

図033-15
サンプル033i

 ただし、ムービーを読み込んだ場合は「アニメーション」のパラメータを設定する必要があります。

 マテリアル編集で「アニメーション」タブを開き、一番下にある「計算」ボタンを押すと、ムービーファイルに含まれる全てのフレームが計算され、「ムービーの開始フレーム」及び「ムービーの終了フレーム」のフィールドに表示されます。デフォルトでは全てのフレームが再生されるようになっています。

 また、アニメーションタブの中央には、シーンを流れる時間の中でいつムービーがスタートし、いつ終了するかを指定する部分があります。

 この状態でマテリアルをオブジェクトに適用し、タイムマーカーを動かすと、表示されるテクスチャが切り替わります。ただし、ムービーフレームの更新は自動ではないので、必要に応じてテクスチャプレビュをダブルクリックするか、「画像を再読み込み」ボタンを押して下さい。

 また、「ムービーの開始フレーム」と「ムービーの終了フレーム」の値を同じにすると、そのフレームしか表示されなくなります。今回のようにトランプのテクスチャ53枚を一つのムービーにまとめた場合は、このようにして使います。例えば、フレーム「18」に入っているのは「ダイヤの5」で、常にこのテクスチャが表示されます。


 CINEMA 4Dはもちろん連番画像も扱えます。連番画像を開く場合は先頭のファイルを選択して下さい。また、開いた後適切な「フレームレート」を指定して下さい。

 

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