R14 照明基礎

レベル/ 対象者:基礎/CINEMA 4Dを少し使えて、GIの設定に困っている人
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上

わかる機能だけで作る。わからない機能はいじらない。

冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
047 3_NET

NET(ネットワークレンダリング)、フレーム単位、NET Server、NET Client、グローバルIP、8080番ポート、Autometer、データパス、User(ユーザ、アカウント)、administrator、Job(ジョブ、作業)、管理者、b3d、ムービーにまとめた後連番画像を消去、GIアニメーションの設定

2013.1.16

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Step 1

NET

 アニメーションのレンダリングにNET(ネットワークレンダリング)は欠かせません。GIアニメーションの場合はなおさらです。NETは一度使ったらやめられないとても便利なものなのですが、「未だに使ったことがない」という人が多いので、ここで詳しく解説します。

 

1. NETは、簡単に言うと「複数のコンピュータで大量のレンダリング作業を分担する」機能です。

 

2. 作業は「フレーム単位」で分担します。つまり一枚の絵を複数のコンピュータでレンダリングすることはできません。

 

3. NETには、「作業全体を管理するソフト」と「ひたすらレンダリングするソフト」の二種類があります。管理するソフトは「NET Server」と呼ばれ、ネットワーク上に一つしかありません。レンダリングするソフトは「NET Client」と呼ばれ、たくさんあります。

 ただし、同時に管理できるNET Clientの数はグレードごとに違っていて、BroadcastとVisualizeが3台、Studioは無制限です。

 また、NET Serverにはシリアル番号を入力する必要がありますが、NET Clientは自由にインストールできます。

 

4. NET ServerとNET Clientは、CINEMA 4D Broadcast、Visualize、StudioのインストールDVDに含まれています。CINEMA 4D本体とは別にインストールするようになっているので、必要に応じてインストールして下さい。

 

5. NETは、LAN(ローカルエリアネットワーク)だけでなくインターネットからアクセスすることもできます。つまり、会社のNETが実行しているレンダリングを自宅でチェックしたり、変更することができます。ここが一番便利な点です。

 NETにアクセスするには、Safari等のブラウザを使います。もちろんスマートフォンやタブレットも使えます。

 ただし、インターネットからNETにアクセスするには、インターネットにつながっているルーターが「グローバルIP」を持っている必要があります。また、ルーターに対してNET Serverをインストールしたコンピュータに、「8080番」ポートを転送するように設定しておく必要があります。

 また、Autometer等OSのスクリプト機能を使えば、NETが終了した時にアニメーションをメールに添付して送信することもできます。

 

6. NETは、MacとPCの両方で使えます。MacとPCが混在していても大丈夫です。

 

 

Step 2

NET Serverの設定

 NET Serverには以下の三つの設定を行います。

 

1. データパス
 NETが作業する場所を指定します。大きなデータを書いたり消したりするので、容量が大きく高速なHDDを指定します。また、レンダリング中にバックアップ作業が発生すると遅くなるので、バックアップは取らず、必要であればHDDをRAID化しておくといいでしょう。

 また、データパスは編集作業用のコンピュータから直接見えるようにファイル共有しておきます。理由は、ブラウザ経由でNETにファイルをアップロードしたりダウンロードすると効率が悪いからです。

 

2. NET ServerのIPアドレス
 NET Serverの住所です。この住所を頼りにNET ClientはNETServerに接続します。IPアドレスは、MacOSXの場合は「コントロールパネル -> ネットワーク」の中に表示されます。

 

3. パスワード
 NET ServerがNET Clientを認識するためのパスワードです。

図047-1

 

Step 3

NET Clientの設定

 

 NET Clientには以下の四つの設定を行います。

 

1. NET ServerのIPアドレス
 NET Serverの住所です。この住所を頼りにNET ClientはNETServerに接続します。IPアドレスは、NET Serverをインストールした人に聞いて下さい。

 

2. NET ClientのIPアドレス
 NET ClientのIPアドレスを入力します。IPアドレスは、MacOSXの場合は「コントロールパネル -> ネットワーク」の中に表示されます。

 

3. パスワード
 NET ServerがNET Clientを認識するためのパスワードです。

 

4. クライアントの情報
 クライアントの名前やハードウエアの構成などを書いておくと作業の管理が楽になります。

 

図047-2

 

 

 

Step 4

つながらない場合

 

 昔はこれで簡単につながったのですが、最近のOSはセキュリティーが厳しくなっているので、つながらないことがあります。その場合は、まず管理者権限のあるユーザでコンピュータやルーターにログインし、ファイアウォールの「8080番」と「1080番」のポートを開ける必要があります。

 具体的な方法は使っているハードウエアやOSによって異なるので、各自ネットで調べるか、MAXONに問い合わせて下さい。

 

 

Step 5

Userを作る

 

 NET ServerとNET Clientの接続設定が終わったら、ブラウザを使って「User(ユーザ、アカウント)」を作ります。ここから先の作業はSafar等のブラウザでできます。

 「User」とは、NETを使ってレンダリング作業を行う人のことで、NET Serverは複数のユーザを扱えます。

 ユーザには「管理者ユーザ」と「普通ユーザ」の二種類があります。管理者ユーザは、新しいユーザを作ったり、古いユーザを消したりできますが、普通ユーザはできません。

 NETをインストールした直後は、「administrator」という名前の管理者ユーザがいて、パスワードは設定されていません。それでは、自分が使う管理者ユーザを作ってパスワードを設定しましょう。

 「administrator」は消してもいいですし、残す場合には誰かがいたずらしないようにパスワードを設定しておいて下さい。

図047-3

 

 

 

Step 6

Jobを作る

 

 ステップ5までは、「管理者」が行う作業でしたが、ステップ6からは全てのユーザが行う作業になります。

 Job(ジョブ、作業)とは、NETを使ってレンダリングする作業そのもののことで、NET Serverは各ユーザに対して複数のジョブを扱えます。

 ジョブの作成は、ブラウザのボタンを使ってもできますが、ファイル共有機能を使ってOS上で直接フォルダやファイルを動かした方が簡単です。理由は、ブラウザからだと複数のファイルやフォルダを一度に動かせないし、ジョブのバックアップやユーザ間の移動ができないからです。

図047-4

 

 ジョブの実体は「フォルダ(ディレクトリ)」で、この中にレンダリングに必要な全てのシーンファイル、テクスチャファイル、GIキャッシュファイル、外部参照ファイルを入れる必要があります。

 また、プラグインを使っているシーンファイルでは、全てのNET Clientにそのプラグインをインストールしておく必要があります。

 また、MacとPCが混在しているNETでは、ファイル名に各OSが禁止している文字を使わないように注意して下さい。

 また、コンテンツライブラリの中のテクスチャを使うと、CINEMA 4Dのバージョンやグレードによってパスが変って読めない場合があります。この場合は、面倒でもコンテンツライブラリから取り出す必要があります。

 

 

Step 7

Jobを実行する

 

 ジョブを作って必要なファイルをアップロードしたら、「Start」ボタンを押します。これでジョブが実行され、全てのNET Clientでレンダリングが始まります。

 各NET Clientでレンダリングされた画像は、ジョブフォルダの中の「results」フォルダに集まってきます。ただし、この段階では、全ての画像は「.b3d」というCINEMA 4Dの独自形式になっています。また、レンダリング設定で出力フォーマットをムービーにしていても連番画像になっています。

 理由は、レンダリング中にネットワークトラブルが発生した時にファイルが壊れるのを防ぐためです。そして出力が連番の場合、resultsフォルダに入った直後に指定したフォーマットに変換されます。また、出力をムービーにしている場合、全てのフレームのレンダリングが終わった後でムービーに変換されます。

図047-5

 

図047-6

 

 サンプル047a

 アニメーションのレンダリング時間は「55分」でした。全部で300フレームですから、1フレームあたり「11秒」となります。画質もレンダリング速度も十分実用的だと思います。

 デフォルトでは、画像を変換した後b3dファイルは消去されますが、「ムービーにまとめた後連番画像を消去(Delete Pictures after assembling)」オプションのチェックを外すと残るようになります。

 しかし実際には、b3dはファイルサイズが大きいとか、PhotoshopやAfterEffects等で読めないという欠点があるので、私はまずhdrの連番で出力し、後でムービーに変換するようにしています。特に最近はガンマやカラープロファイルの問題が多いので、直接ムービーを出力するのはお勧めできません。

 

 

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